税理士法人 広島パートナーズ

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青色申告の取消処分はどの程度で起きてしまうのか

 

法人・個人事業主、様式は違いますが、どちらも青色申告というものがあります。

正確な会計、ルールに則った会計を行うことで申告者が恩恵を受けるというものです。主だった恩恵として、赤字の年度繰越や資産計上すべき資産の減価償却損金算入が可能といったもので黒字でも赤字でも恩恵があると言えます。

こちら受動的に対象になるものでなく、自主的に届出をして税務署に承認してもらいます。

一般的には個人は開業時、法人は設立時に他の書類と合わせて届出をしており、取り消されない限り永年持続するものとなりますので存在を忘れてしまっている方もいるでしょうか。昨今の会計を見る限り、青色申告が優遇ではなく、承認されていない白色申告が冷遇されているとも考えられます。採用の確率でいうと法人は90%超、個人が70%ない程度と言われています。以前、個人は青色申告要件レベルの会計を一般事業主が行うことが難しかった為、税務上の優遇が無くても簡易的に会計を行うのが割と一般的でした。現在の制度では基本的に青色申告になるように指導されているので割合が増えてきています。法人は決算を組む以上、基本的に要件を満たす会計をしているので割合が高くなっています。

青色申告の要件を満たす会計ですが、大前提として複式簿記であること。逆に簡易的な物として単式簿記があります。単式簿記は身近な例で言うと家計簿、お小遣い帳のようなものです。6/1 消耗品 100円 のように使い道がわかって便利ですが、クレジットカードで支払った、銀行振り込みを行った、来月にまとめて支払うので買ったけど今はお金が動かない、といった複雑な処理に対応できず、現金を何に使ったかしかわからないものになります。

ここで冒頭の決められたルールに則った複式簿記を求められます。ルールは正確には個人は「大蔵省告示第112号」法人は「大蔵省令第12号」というものが使われています。昭和に作られて改正されながら今でも残っています。ちなみに大蔵省令第12号は今でいう法人税法施行規則のことです。会計をしている人は聞いたことがあるかもしれません。

 

本題になりますが、青色申告の取り消し事由ですが、国税庁が主に4つの理由を発表しており、明確な理由なく取り消しはされないです。時々取り消しに対して不服申し立てを行っている判例もございますが、大規模な法人が多く、取り消しによる変動額も大きく、争点として訴えがございます。一般的には取消処分があった際は従っているようです。

 

①帳簿書類を提示しない場合における承認の取り消し

基本になりますが、決算書やその基になる複式簿記の書類について税務調査で提出を求められたら提出をしなければいけません。前述の通り、それ前提の制度なので拒むことはできません。

 

➁税務署長の指示に従わない場合における承認の取り消し

こちら①と近いものですが、保存帳簿について法人税上税務署は指導を行うことが出来ます。この指示を適切に従わないといけません。これに違反を続けるようであれば取り消し事由となります。

 

➂隠ぺい・仮装の場合における承認の取り消し

残念ではありますが、このパターンが能動的に起こりやすい取り消し事由となります。

調査で悪質と思われる内容、故意的な調整による脱税と認められた場合、取り消しとなります。架空の請求書の捏造、従業員を外注員としてのつけかえなど、誤って行ってしまったミスではなく、納税者が自ら税金を低くするための不正とされ、調査内容から判断し、取り消しの処理とされます。

会計をする上で請求の間違いや消費税間違いなど悪意なくともミスは完全には防げないとされます。税務調査によって修正申告があるにしても内容や金額等を勘案し、青色申告の取り消しまでにはならないケースも多いです。その為、取り消しがある場合、よっぽどのことですので理由は本人が一番理解していると言っても過言ではないでしょう。

なお、不正と判断した場合でも、過去7年の内に青色申告の取り消しを受けておらず、不正所得が500万円未満の場合で、当人が今後は適正真実の申告をする要望がある場合、取り消しを見合わせることができる。という例外もあります。

 

④無申告又は期限後申告の場合の承認の取り消し

実働として取り消しはこのパターンが一番多いと思います。確定申告や決算の申告期限までに申告できずに期限後に申告をする。もしくは申告自体を現時点でまだ出来ていない無申告の場合です。この場合ですが、2期連続という条件もあり、一度の手違いでは取り消しになりませんが、2期連続の常態化してしまうと取り消しになってしまいます。税理士がついていると基本的に起きませんが、個人でやってきた場合、忙しいなどを理由として申告が出来ていないといったことがあります。この場合、税務署から問い合わせが来ます。電話が来ますし郵送でもきます。税理士事務所は税務署から問い合わせがあっても特段何もないですが、一般の方は嫌なイメージが大きいと思います。このような状態になってしまうと元に戻すのも一苦労です。コストはかかってしまいますが、税理士事務所に頼んだ方が時間も精神的にも楽になります。

 

➄相当の事情がある場合の個別取り扱い

これまでの理由とは少し違いますが、個別の事情を踏まえての判断もあります。③の不正について調査で不正の実態が認められたが、不正を行ったのは亡くなった先代で、事業を継いだものの先代しか資金管理を行っておらず、以前の不正を知ることない立場で現状を誠実に行っている場合、取り消しをしないとされることがあります。取り消しがまた、③の取り消しの保留をしたにも関わらず、不正が直っていない場合や、調査上は適正に見えたが二重帳簿が確認できた場合なども取り消しとなります。

 

⑥電子帳簿保存法の要件に従っていない場合における承認の取り消し

こちらも例外の取り消し要件ですが、現在では電子保存により、決算資料や領収書等の電子保存が認められています。もちろんですが、電子化によって数字の不正が起こりやすくなる為、様々な制限がかけられています。電子保存の届出をして電子にするはずが紙で保存した場合、資料の確認は出来るので間違ってはいますが、厳重注意で終わる可能性もあります。ただ、逆の場合、認められていない電子保存をして、本来の原本の紙の資料も廃棄して確認ができない場合、取り消し事由の1つになっています。このこともあり、電子保存のはずが保険として紙も残していると聞いたことがあります。

 

➆通算法人等にかかる取り扱い

上記の理由は単独法人を主にしていますが、通算法人についても同様の取り扱いをしますという補足記述もあります。

 

承認の取り消しですが、効果が遡及されることがかなり特殊かもしれません。税務調査により不正が指摘され取り消しになる場合、その期間までさかのぼって取り消しになるので白色申告になります。無申告により取り消しになる場合もその申告分からが白色申告になります。冒頭の通り、欠損金の繰越等が取り消されてしまい、想定外の税金になってしまうこともあります。

税務調査もそうですが、普段と違うことを行う場合、ものすごい時間と精神を使います。

無料相談もありますので、どういった状況でどのようにするのが自分と会社の人生にとっていいものになるかご検討ください。1年経っても2年経っても何も変わらないまま進んでしまって延滞税などマイナスばかりが増えてしまったという経験も聞いたことがあります。

餅は餅屋に。ですのでわからないことは専門家に聞いていきましょう。

 

 

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