活動レポート
- 相続/贈与/事業承継
非上場株式の相続税評価が大きく変わる?
~株式評価方法の見直しが議論されています~
中小企業の経営者にとって、事業承継や相続を考える際に重要となるのが「自社株式の評価」です。上場していない会社の株式には市場で取引される株価がないため、相続税や贈与税を計算する際には、財産評価基本通達に定められた方法によって株式の評価額を計算します。
現在、この非上場株式の評価方法について、大きな見直しが検討されています。
~現在の株式評価方法~
現行制度では、会社の規模などに応じて「類似業種比準方式」や「純資産価額方式」などを用いて株式を評価します。
類似業種比準方式では、上場している類似業種の株価を基礎として、評価対象会社の「配当」「利益」「純資産」の3つの要素を比較して株価を算定します。
一方、純資産価額方式では、会社が保有する資産や負債を相続税評価額に置き換え、会社の純資産を基礎として株価を算定します。
会社規模によってこれらの方式を使い分けるため、同じような財務内容の会社であっても、会社規模や評価方式によって株価に差が生じることがあります。
~新たに検討されている「残余利益方式」~
国税庁は2026年4月から「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を開催し、評価方法の見直しを進めています。
2026年8月20日に開催された第5回会議では、現行の会社規模による区分や類似業種比準方式を廃止し、「残余利益方式」を基本とする具体的な見直し案が示されました。
残余利益方式とは、簡単にいえば、会社が持っている純資産だけではなく、「その会社が将来どれだけ利益を生み出す力を持っているか」も考慮して企業価値を評価する考え方です。
今回示された案では、直前期末の簿価純資産と過去数年間の利益などを基礎として評価する方向が検討されています。
~事業承継への影響も~
評価方法が変更されれば、会社によっては現在の評価方法と比べて自社株式の評価額が大きく変わる可能性があります。
特に、これまで類似業種比準方式を利用することで株価が比較的低く評価されていた会社については、評価額が上昇する可能性も考えられます。
自社株式の評価額が上昇すれば、相続や後継者への株式贈与に伴う税負担にも影響します。そのため、今後事業承継を予定している会社にとっては非常に重要な改正となる可能性があります。
なお、現時点ではまだ検討段階であり、最終的な評価方法が確定したわけではありません。
経営者の皆様にとって、自社株式は普段その「値段」を意識する機会が少ない財産です。
しかし、相続や事業承継が発生したときには大きな財産となることがあります。
「自社の株はいくらなのか」「将来、誰にどのように引き継ぐのか」を早めに確認しておくことが、円滑な事業承継の第一歩です。
広島パートナーズでは、今後も制度改正の動向を確認しながら、事業承継・相続についてサポートしてまいります。
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