活動レポート
- 法人税
繰り越したのに使えない? 賃上げ促進税制の「もうひとつの条件」
「今期は税金が出なかったので、控除枠は来年以降にまわしましょう。」
賃上げ促進税制を使った会社で、たまに出るお話です。
控除枠が消えずに翌年以降へ持ち越せるのはありがたい仕組みですが、実はここに、あまり知られていない条件がひとつあります。
繰越欠損金との違いを整理しておきましょう。
繰越欠損金は「しまっておけば、また使える」
赤字が出た年の損失を、翌年以降の黒字と相殺できる繰越欠損金。
中小企業なら最長10年間残しておけます。
この制度のありがたいところは、使うときに特別な条件がないという点です。
毎年きちんと申告を続け、帳簿を保存してさえいれば、黒字になった年に自然と使えます。
賃上げ促進税制の繰り越しは、「使うときにも条件がある」
賃上げ促進税制の控除枠も、その事業年度で使い切れなかった分は5年間の繰り越しができるようになりました(※中小企業限定)。
ただしこちら、次年度以降にいざ使う時に特別な条件があります。
【使う年度の給与総額が、前の年度を上回っていること】
繰り越した枠を使いたい年に、もう一度「賃上げしている状態」でなければならないのです。
せっかく繰り越した枠が残っていても、その年度の給与総額が前年と同じ、あるいは減った年は、枠が残っていても使えません。
とはいえ、求められているのは「前年を上回っていること」だけですので、何%以上といった割合的な数字のハードルはなく、1円でも多ければ条件を満たします。
条件を満たせない年があっても枠が消えるわけではなく、5年の期間内なら、また前年を超えた年に使えます。
期末が近づいたら、「今年の給与総額は前年を超えているだろうか」一度ご確認ください。
わずかな差が、大きな税額の違いにつながることがあります。
繰り越した控除枠がある会社さまは、決算前のご相談をおすすめいたします。
