活動レポート
- 法人税
- 確定申告
災害時の義援金に係る寄附金控除制度のご案内 (法人・個人)
令和8年熊本地震において被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。
熊本県は、私共の事務所にとっては昨年秋に社員旅行で訪れたばかりの場所で、ニュース等を通じて伝わる被災状況に強く心を痛めております。一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申しあげます。
今回の震災を受け、復興支援のために寄附を検討されている方も多いことと思います。
寄附には税制上の優遇措置が設けられているケースがあり、支援を行いながら税負担の軽減にもつながる場合があります。そこで、災害義援金を寄附した場合の税務上の取り扱いについてご紹介します。
寄附金の税制上の取り扱い
①法人が寄附した場合・・・全額損金算入
法人が熊本県などの地方公共団体に対して直接災害義援金を支出した場合、その寄附金は法人税法上の「国等に対する寄附金」に該当し、その全額を損金の額に算入することができます。
また、日本赤十字社などが窓口となって募集している義援金についても、最終的に地方公共団体などに拠出される仕組みが取られており、「指定寄附金」に該当すると認められる場合には、同様に全額を損金算入できる取り扱いとなります。
通常、法人の寄附金には資本金や所得金額に応じた損金算入限度額が設けられていますが、上記の要件を満たす災害義援金については、この限度額の制約を受けずに支出額の全額を損金にできる点が大きな特徴です。
②個人が寄附した場合・・・ふるさと納税と同様の枠組み
個人が熊本県や日本赤十字社などを通じて災害義援金を寄附した場合、その寄附金は所得税法上の「特定寄附金」に該当し、寄附金控除(所得控除)の対象となります。これは、ふるさと納税と同じ制度上の枠組みで取り扱われるものです。
さらに、寄附先の自治体が条例により「指定寄附金」として定めている場合には、所得税の控除に加えて住民税(個人住民税)の控除もあわせて受けられることがあります。ただし、住民税控除の適用の有無は自治体ごとの指定状況によって異なるため、すべての寄附について一律に適用されるとは限りません。
なお、個人が寄附金控除の適用を受けるためには、原則として確定申告を行い、寄附先から交付される受領証明書等を添付する必要があります。ふるさと納税でよく利用される「ワンストップ特例制度」が災害義援金にもそのまま適用できるかどうかは、寄附の方法や受付団体によって異なるため、個別にご確認いただくことをおすすめします。
寄附先は信頼できる窓口を
大きな災害の発生後は、義援金を装った詐欺的な募金活動や、使途が不透明な団体による呼びかけが発生することもあります。支援金を必要な人・場所に確実に届けるためにも、寄附は熊本県や日本赤十字社といった、公的機関や実績のある信頼できる団体の窓口を通じて行いましょう。
ご参考
熊本県:https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/27/274572.html
日本赤十字社:https://www.jrc.or.jp/contribute/help/20260731/
まとめ
①法人の寄附・・・要件を満たす災害義援金は、限度額の制約なく全額を損金算入できる
②個人の寄附・・・ふるさと納税と同じ「特定寄附金」の枠組みで所得控除の対象となり、自治体の指定状況によっては住民税控除もあわせて受けられる
③寄附先・・・熊本県や日本赤十字社など、信頼できる窓口を選ぶ
寄附金控除の具体的な適用要件、控除額の計算方法、確定申告の手続きなどは、寄附先や寄附方法、寄附者ご自身の所得状況によって異なります。正確な取り扱いについては、顧問税理士や税務署にご確認ください。
お問い合わせ
税理士法人広島パートナーズ
E-Mail:partners@hp-tax.com
