活動レポート
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電話加入権を急いで解約すると返金される?それ、デマですよ
令和の今、電話加入権はどうすればいいのだろう。「解約を急いだら返金される」はデマ
事業をするうえで固定電話は必要。昭和ではこういう考えでした。平成では携帯電話が普及してきましたがそれでも事業者は固定電話を引くことが常でした。もちろん、現在も多くの事業者が固定電話を利用しています。この固定電話に電話加入権が関わってきます。
電話加入権は電話インフラを使わせてもらう権利として支払うものです。
電話加入権は携帯電話や、固定電話のなかでも最近増えている光電話といったIP電話等対象でない電話も増え、知らない人も増えてきていると思います。
固定電話を引く際に電話加入権の購入が必要です。金額は時代によって変わり、2005年に現在の36,000円になる前は、約30年近く70,000円を超えた金額となっていました。それでも事業者も個人の自宅もみんなが買い求めていた時代でした。ちなみに今もなくなってはいません。
電話加入権の歴史になりますが、旧電電公社(以下現NTT)も各家庭に電話線を網羅するのに莫大な資金が必要になり、利用者に負担料を請求する形になりましたが、利用料金に加算して請求するとなると、先んじて設置した人の負担が重くなり、不平等、そして当初の予定額を請求するとなると、一般庶民に支払えるものではなくなってしまう為、電話加入権という、自分の分は自分で支払うというルール作りがされました。
ただ、電話加入権の収入だけでは戦後の日本で農村部まで電話インフラを整えるのは到底資金が足りませんでした。その為、1953年から1983年までの間は電話加入権の購入者に電信電話債券(通称、電電債)を合わせて購入義務とする制度も作りました。これは利用権ではなく、NTTに資金を貸したものになります。電話加入権と電電債を合わせて購入しなければ電話を引けない世の中がしばらくありました。
そして、1983年に電電債購入義務化が終わり、電話加入権のみの支払いとなりました。
電話加入権は利用の権利、電電債はNTTに対する金銭債権ということがわかってもらえると思います。
会計の話になりますが、電話加入権ですが、事業者が購入した場合、通常、電話加入権という勘定科目で「その他の資産」に計上されます。資産ですので、解約した時に返還することになりますので返金されるのでしょうか。いいえ、返還されません。当初の通り利用の権利ですので権利がなくなった時点で終わりです。ではなぜ、資産計上されているのでしょうか。
当初は電話を引きたい人が多く、NTTから電話を引かれるのを待てない人が多く発生しました。その場合、加入権を売りたい人から権利を買い上げた方が早く電話を使えるので一種の債権として取引対象となっておりました。また、質権設定のできる権利となっていましたので資産として取り扱われておりました。
しかし、今の時代、普通に電話が引ける為、電話加入権を外部から購入する人はおらず、価値はありません。元々NTTが返却時に返金するといったものではないので返還時に廃棄損、雑損失で経費になっていくものです。加入権を買い上げる業者もおり、昭和は高額で、買取されました。平成になり、中旬頃から価値が下がり、数千円で買い取るのがせいぜいでしたが、ついに名義変更の手数料等での赤字収支、需要を考え、買取もなくなっていきました。
電話加入権は固定電話をそのまま維持する限り保有が続き、IP電話等切り替える際に放棄となったりします。申し訳ないですが、今の時代の電話加入権は会計帳簿上、無用の長物とも言えるでしょう。
ではタイトルの解約による返金というのはどういうことでしょうか。先に嘘・デマとお伝えしておきますが、昨年からそういった話が出回っていたそうです。ではこれが何かといいますと、NTTが2025年7月に「電信電話債券」の返金期日を2027年7月と発表したことによります。
最後の発行が1983年ということで43年前となります。金銭債権は時効があり、元本10年、利息5年となっており、とっくに時効切れとなっています。ただNTTは時効での放棄をせず、証書をお持ちの方に平成になっても令和になっても返金を続けてきました。出来た時の経緯もありNTTの今日を支えるものですので矜持を持って返金してきましたが、さすがに無期限では管理コスト等対応が難しく、期限を決めました。40年以上もあり、返金を求めている人に対しては終わっているので2027年を期限とするとしました。
今返金が残っているのは、証書をなくした方がほとんどと思われます。私も帳簿で電電債があるのを見たことがありません。
このニュースを見て返金を広げたかったのかもしれませんが、残念ながらニセ情報です。何も考えず解約するともちろん固定電話が使えなくなります。お気を付けください。
昔から電話がある方は電電債が残っているかもしれませんので一応聞いておきましょう。
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