活動レポート
- 法人税
2026年度税制改正
2026年度(令和8年度)の税制改正は、中小企業の「稼ぐ力」と「人材確保」を強力にバックアップする内容が並びました。特に大きな影響を与える3つのポイントを、経営判断の視点で解説します。
1.設備投資:「少額減価償却資産」の枠が40万円へ
これまで「30万円」が壁となっていた少額資産の即時償却(買った年に全額経費にする特例)が、40万円に引き上げられます。
これまでは数年に分けて経費化していた「ハイスペックPC」や「高機能オフィス機器」が、購入した期に一括で経費に落とせます。これにより、利益が出ている期の法人税を機動的に圧縮し、キャッシュフローを改善することが可能になります。
DX投資や生成AIの導入には高性能なハードウェアが不可欠です。この枠拡大を利用して、社内のIT環境を一気にアップデートする絶好の機会と言えます。
2.福利厚生:食事補助の倍増
約40年ぶりに、従業員への食事補助の非課税枠が月額3,500円から7,500円へと一気に倍増します。給与を7,500円上げると社会保険料や所得税が差し引かれますが、この「食事補助」として支給すれば全額非課税です。会社にとっては保険料負担を増やさず、従業員にとっては「手取り額」がそのまま増える、双方にメリットのある「実質的な賃上げ」となります。
3.賃上げ促進税制の繰越控除
2026年度からは、大企業向けの賃上げ減税が廃止される一方、中小企業には「5年間の繰越控除」という強力な武器が継続・重視されます。
「今は赤字だから減税の恩恵がない」という企業でも、今年賃上げを行えば、その減税枠を5年間ストックできます。将来黒字化した際に、過去の賃上げ分を税金から差し引けるため、長期的な節税プランが立てやすくなります。人材流出を防ぐための賃上げは、今や経営の最優先事項です。国が「将来の黒字で帳尻を合わせることを認める」と言っている今のうちに、思い切った人材投資を行うハードルが下がったと言えるでしょう。
これらの改正は、「デジタル化(設備投資)」「生活支援(食事補助)」「人への投資(賃上げ)」の3軸を強化するものです。特に中小企業にとっては、大企業に比べて有利な条件が揃っています。
これらの制度を単なる「節税」として捉えるのではなく、優秀な人材を惹きつけ、生産性を向上させるための「経営戦略」として組み込んでみてはいかがでしょうか。
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