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M&Aの際の買収価額について

今回からは、M&Aの際に重要なファクターである買収金額の算定方法について

 

お伝えしたいと思います。

 

まず、算定方法をおおまかに列挙すると次のようになります。

 

 

1 財産評価基本通達

(類似業種比準)

 ↑ 低い  ↑ 形式的
2 純資産
3 法人税上の時価
4 純資産+利益3年分
5 類似業種比準
6 DCF  ↓ 高い  ↓ 理論的

 

 

※ 純資産と記載しておりますが、税務署に提出する貸借対照表上の簿価

 

純資産ではなく、貸借対照表上(場合によっては、帳簿外のものがある

 

場合も・・・。)の資産、負債を時価評価した時価純資産のことです。

 

 

 

次に、図に形式的と記載しているのは、

 

1の財産評価基本通達(類似業種比準)による算定方法を例にあげると、

 

算定方法が形式的で分かりやすいということからです。

 

ただし、事業自体の評価はされず、

 

資産負債の評価だけになってしまうことがあるため、

 

他の手法より評価が低くなってしまう傾向があります。

 

逆に、図に理論的と記載しているのは、6のDCFによる算定方法を例にあげると、

 

買収金額(企業価値)を算定する過程で、

 

売手が作成する事業計画や割引率等をもとに算定するため、

 

事業自体の評価がきちんとなされ、現在考え出されている算定方法の中で、

 

最も理論的なものの一つとされていることからです。

 

ただ、売手が作成する事業計画の多くは右肩上がりで作成されるため、

 

高い金額になる傾向があります。

 

ただし、多くの事業計画は右肩上がりに作成されるにもかかわらず、

 

事業計画がなぜ右肩上がりになるかという根拠の記載がない事業計画が多いため、

 

事業計画や割引率等の合理的な算定が行われることが前提です。

 

なお、他にも、理論的な算定方法として、配当還元法という方法もありますが、

 

中小企業では株主が限定されており、配当金額を恣意的に決めることができることから、

 

実際には、特徴を生かしきれず、あまり理論的な評価にはならないことが多いようです。

 

 

上の内容から、これらの算定方法のうち、

 

どの算定方法で評価されるのかはケースバイケースですが、

 

1の算定方法よりも2の算定方法、2の算定方法よりも3の算定方法といったような

 

高低になることが多いようです。

 

 

最後に、上であげた算定方法による評価金額は、

 

どの算定方法が妥当なのかを議論するためものではなく、

 

これらの評価金額を見比べながら、

 

最終的な買収金額を見出していくための参考数値と考えていただければと思います。

 

 

次回からは、中小企業のM&A実務で利用される算定方法について、

 

もう少しつっこんで見ていきたいと思います。

 

 

 

 

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