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会社を分社化するのはなぜ?

いくつかの会社を経営している社長さんに出会われたことがあるかと思います。

 

ソニーや富士通、NECなどといった有名企業も分社化されていますが、

 

そのメリットは何でしょう…

 

 

分社化とは

 

まず分社化とは会社を分けることです。

 

例えば特定の事業部門だけを切り分けて独立した子会社にしたり、

 

特定のエリアの仕事を専門的に行う独立した子会社をつくったりすることで、

 

分社化を進めていくことができるでしょう。

 

新しくつくった子会社は組織としては独立していますが、親会社の実質的な支配下に

 

置かれることになります。

 

 

会社を分社化するメリットとは?

 

1)税金対策

 

法人税の税率は原則として23.2%です。ただし資本金額が1億円以下の中小法人の場合、

 

課税所得が800万円までなら15%の「軽減税率」が適用されます。

 

つまり、利益がたくさん出ている会社では、複数会社を持ち、利益(所得)を

 

分散させることで節税に繋がるということになります。

 

また、資本金1000万円以下といった要件はいくつかありますが、

 

売上1000万円以下であれば消費税の免税事業者となったり、

 

中小法人の場合、損金にできる交際費が法人数分増えたりと、税務上のメリットがあります。

 

ただし、節税目的のみで会社を複数設立すると税務署で指摘される可能性もありますので

 

注意しましょう。

 

 

2)事業のリスク分散

 

一つの会社で複数の事業を行っている場合、仮にそのうちのひとつの事業で大きな損失や

 

問題が発生すると、会社全体の業績に大きな影響が出てしまいます。

 

ですが、複数事業を1会社1事業という形で分けると、損失や問題が発生した会社以外は

 

その影響を受けることがありません。

 

このように、会社を分けることにより、リスク分散させることが可能になるのです。

 

また、特定の許認可が必要な事業(医療法人等)を行うときは、

 

特定の事業以外を行うことが禁止されていることもあるため、

 

会社を分けて子会社で別事業を営むということも考えられます。

 

 

3)事業の経営管理を明確にできる

 

1つの会社に複数の異なる事業が存在していると、それぞれの成果が見えにくくなります。

 

1会社1事業という形で分けることで、その事業の売り上げ、収益がクリアになります。

 

これにより、その事業の経営状況の把握がしやすくなり、

 

適切な経営判断を行いやすくなります。

 

 

4)事業承継の手段として活用

 

分社化は、後継者問題を解決することもできます。

 

後継者候補が複数いる場合、会社がひとつだと誰を後継者にするのかで

 

揉めることがありますが、分社化をすることで、それぞれの会社を後継者に承継させることが

 

できるようになり、円満な事業承継ができるようになります。

 

また、後継者が経営の経験が浅い場合も、分社化は効果的です。

 

後継者には、いったん分社化した、規模が小さく運営しやすい会社の経営を

 

経験させることで、経営者としてのスキルを養うことができます。

 

 

5)融資が受けやすくなる

 

複数会社があると、複数の金融機関からそれぞれの法人に対して融資を受けられる可能性が

 

あります。

 

また、法人ごとに代表者を分けることで、その代表者を連帯保証人にすることが可能になり、

 

銀行からの融資が受けやすくなるというメリットもあります。

 

1人が複数の企業の連帯保証人になるのに比べ、銀行の審査が通りやすくなるともいえます。

 

このように分社化は、さまざまなメリットや活用法がありますが、

 

コスト面や事務的な面でデメリットが考えられます。

 

1)設立コストが会社の数だけ増える

 

株式会社を設立するにはコストが発生します。

 

会社を複数持つということは、その数だけこのようなコストがかかるということです。

 

 

2)ランニングコストが会社の数だけ増える

 

分社化させることによってさまざまな固定費が増える可能性があります。

 

会社の数だけランニングコストが発生することがデメリットのひとつです。

 

会社が活動を行っている場合は、業績にかかわらず、年間7万円以上の均等割(住民税)が

 

かかります。節税できたとしても、固定費が大幅に増えてしまうと、結果的に

 

デメリットの方が大きくなる場合もあります。

 

 

3)経理作業が煩雑になる

 

会社の数が増えれば、会社ごとに経理作業を行うことになります。

 

そのため、経費を会社ごとに分ける必要があり、申告を会社の数だけ行うなど

 

それに伴う作業も増えてきます。

 

時間的なコストや費用がどれくらい必要かあらかじめ理解しておく必要があります。

 

 

4)税務調査などのリスク

 

分社化しただけで運営の実態がない会社を持つと、不当に税負担を軽く(租税回避)している

 

のでは、と見られ、税務調査で指摘をされる可能性が高くなります。

 

また、同一の事業内容で複数会社を持つことも禁止されています。

 

節税目的のみで複数の会社を持つことはやめましょう。

 

 

分社化とは、もともとひとつの会社を事業内容やエリアなどで分けて、

 

子会社を設立することです。

 

節税、倒産のリスクの減少、事業承継の手段として活用できるなど、

 

多くのメリットがあります。

 

後継者を育成したい企業や新規事業を始めたい企業は、

 

分社化を検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

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